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先日、OPCが協力するSP研修が開催されました。
医師会のプライマリ研究会の中、1年に1回、SP研修をさせてもらっています。すでに、4回目となりました。
医師と薬剤師が参加し、しかも、医師による医療面接と薬剤師による服薬指導の場面を続けてするといういろんな意味でお得な研修です。
ですが、毎年、いろんなことが起こります。やはりSPが参加する医療コミュニケーション研修ということ自体、初めてという方も多いですし、参加型ですので発言も求められます。そして、いつもはあまり意識しない患者さんとのコミュニケーションの勉強です。
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毎回、参加者全員に意見を求めるのですが、今まで、何度か繰り返されてきたよくある発言。
「患者さんの話を聞くことが大切なのはよくわかる。でも、市中病院の内科でどんどん患者さんがくるから3分間診療になってしまう。患者さんをさばくためには、鑑別診断をたてると同時に検査と治療を同時に考えてながらやっている。だから、普段、10分もかけて診察はできないよ。」
というような意見。今までの私であれば、まだまだ、理解されていないなあとか、患者との距離はまだ遠いなあとか思って、やるせない気持ちになっていましたが、今回は、違いました。
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今年は、4年目にしてはじめて反省会(という名の食事会)をしました。そこで、SP研修や医療面接の必要性について理解のある先生方と話をしていてあることに気づきました。
患者さんの身の上話を聞くことが、”患者の話を聴いている”ということではないということです。患者さんの身の上話を聞こうと思ったら、3分では無理でしょう。10分でも短いと思います。
ですから、患者さんの話を聴きましょうというのは、話の内容でも、診察にかける時間でもない。たとえ、質問の内容が、病気を鑑別するためのものであっても、その医療者の姿勢が患者の思いを引き受けるものであれば、患者は受け止めてもらえたと感じるのだと思います。
きっと、3分しかないから無理と言われた内科の先生も、経験のある先生ですから、自然に培ってきた患者さんとのコミュニケーション技術は、必ず持っておられると思います。ただ、それを表現して、若い世代に伝えるということは、今までされてこなかったのではないか。患者とのコミュニケーションスキルは、目で盗めというところでしょうか。
しかし、これからは、コミュニケーションは自然に身につくものだからという時代ではないことは確かです。患者さんからのニーズは多様化しており、さらに、治らない病気と生涯付き合うことが多くなってきた。他職種との連携も盛んに言われているところ。どんな場面でも、コミュニケーション力が必要とされています。
それにしても、これからの医療者は、医学的な知識はもちろんのこと、コミュニケーションスキルにも長けていないといけない。覚えることも勉強することも山ほどある時代になってきてます。OSCEで終わらないSPによるコミュニケーション研修を提供していけるようにがんばりたいと思います。
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