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振り返りって反省とは違うの? |
実務実習で成功するためのポートフォリオの3つの要素のうち、一番、重要なのが、振り返りだと思っている。英語で、学習に用いられるポートフォリオのことを、reflective portfolioと呼ばれている。
reflectiveは、そのまま訳すと「思索にふける, 考え込む」という意味になる。いろいろな書籍を読んでいると省察という言葉が出てきた。反省とは異なるということは、なんとなくわかったけど、どういうことだろう。正直、うまく学生に説明出来ていない部分だ。
振り返りがわからなくてもなんとなくできてしまう |
振り返りについて説明するならば、自分を俯瞰する=客観的に自分を評価すると言うことだといえる。できたことも、できなかったことも、第3者の目線で見つめることが重要になる。
でも、頭ではわかっていても、腑に落ちるには、実際にポートフォリオを続けてみるしかないのだ。でも、意味もなくポートフォリオを作っていては、単なる記録になってしまう。なので、振り返りが自然にできるように、工夫している。
"ポートフォリオ評価とコーチング手法―臨床研修・臨床実習の成功戦略!" (鈴木 敏恵)の中で、様々なフォーマットが紹介されており、それらを参考にワークシートを用意している。
1.日々の振り返り
1日の終には実習の記録を記入する時間がありますが、そのときに、必ず、今日1日について自己評価をする。
2.1週間の振り返り
1週間を振り返って、自分の気持ちも含めて記録する。次の週へ向けての目標もこのときたてる。
3.実習の途中での振り返り
実習の途中で、凝縮ポートフォリオを作成する。凝縮ポートフォリオを作成することで、自らの実習の記録を振り返ってみる良い機会になる。
4.成長報告書
実習の最終日に、成長報告書を書く。自らが成長したと思うところを3つ上げてもらいます。そして、それをどう未来に活かすかまで記入する。
このように、しつこく自らが作ったポートフォリオを見直す機会を設けている。見直すという作業は、結果的に自らの内面的な部分を見つめることになることもあり、今までやってきた中で、”恥ずかしいです。”と言う学生もいた。
振り返りじゃなくて、ふりかえりなんです |
ある時、大学院の学生が凝縮ポートフォリオに、以下のようにまとめていた。
振り返りをあえて、ふりかえりと平仮名にしていたので、どうしてそうしたのか学生に聞いてみたところ、
自分で自分をふりかえることはとても大切。 目標と、それを達成するためにの行動を明確にすることで「ふりかえり」が簡単にできる。
→成長の実感 また、いろいろな人から意見をもらうことは、モチベーションの維持、学習意欲の工場につながる。積極的に学び、理想とする自分を目指す!!!
「振り返りだと、なんかブンっておもいっきり振り返って自分を厳しい目でみてるような感じですけど、ふりかえりだとやわらかくふりかえるっていう意味で、ちょっと自分に甘くして、自分の成長したところもみようと思ったので、今回そうしました。」
という答えが返ってきた。なるほどなあ~と妙に納得。学生にポートフォリオについて説明しているものの、私自身、自分のポートフォリオを一定期間作成して、それを見直すということを常日頃からしているわけではない。
一番の実践者である学生から、学ぶことは多く、そう言われて改めて”振り返り”について考えることができた。
この学生が感じた感覚を言葉にして学生に伝えられるようにしたい。今のところ、とにかく言われたようにやったらいいからというメッセージが強いような気がするので。
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