"「やればできる!」の研究―能力を開花させるマインドセットの力" (キャロル S.ドゥエック)
教育学、心理学の研究者である著者が、20年に渡る研究成果を日々の生活に役立てて欲しいという思いで書かれたものです。
本の中では、2つのマインドセット(心のあり方)が、同じ出来事に対してどう感じて、どう行動するか、また、どういった結果を生み出すか(もしくは可能性があるか)を書いてあります。
2つのマインドセットとは、
能力は生まれつき決まっていると思う
→こちこちマインドセット( fixed-mindset )
能力はのばせるし、人は変われると思う
→しなやかマインドセット( growth-mindset )
というものです。
もちろん、わかりやすくするために、2つの極端な例をあげているわけで、1人の人間でも両方が混在しています。分野によっても異なるでしょうし、状況によっても違ってくるのではないでしょうか。
それは、さておき、この本の中には、多くの実例が示されています。音楽、スポーツ選手、学校教育などなど・・・
学校教育の場面の例ばかりかと思っていましたが、人間関係(夫婦、親子、友人、職場など)においても、2つのマインドセットが関係してくるということも触れられています。
いくつかの章で構成されていますが、一番、自分にとって、重要だと思ったのは、親と教師のマインドセットの章です。
指導者が、人は初めから能力が決まっているというこちこちマインドセットだと、たとえ、それが具体的な言葉に出ていなくても、学習者に大きな影響を及ぼすことがわかりました。
以前から、誰にでも成長する可能性はあると信じて指導することが大切だと思ってはいましたが、なぜ大切なのか、その理由がわかってすっきりしました。
最後の方に、どうやったらしなやかマインドセットになることができるかと示してあります。
毎日、朝出かける前に、見るようにしましょうという短い文が紹介してあります。是非、印刷してどこかに貼っておきたいと思います。
最後まで読むと、なんだか、自分は何かをやり遂げることができるんじゃないかと思い、前向きになれる本です。
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