(c) Bee玉|ストック写真 PIXTA
実務実習や臨床現場での教育指導に関する勉強会なんかで、ときどきこんな声が聞こえてきます。
「学生さんは、ほめて育てましょう。ハラスメントのこともあるから、強く言えないし。」「最近の学生は、叱られることに慣れてないから、おだてないとやってくれないですよ〜。」「若い頃には、怒鳴られて仕事を覚えたもんだ。最近の若者は・・・」
自分たちの頃は、こんなに手厚い実習体制でもないし、カリキュラムなんかなかったし、認定の指導薬剤師もいなかった。今の学生さんたちは、恵まれているなあという気持ちの裏返しなのでしょうか。
上記のような発言が出てくる理由はさておき、私が問題だなと思うことは、本当に学生に成長して欲しいと思ったら、”褒める”だけでは、あまり足しにはならないということです。
前置きが長くなりましたが、薬剤師から学生へのフィードバックについての話です。
私の考える良いフィードバック(形成的評価)は、やってみて、できたところとできなかったところを学生へ教えてあげることだと思います。
できなかったことを指摘したくなる気持ちはわかるのですが、学生にとっては、自分が何ができているのかさえも多くの場合、わかっていないのです。
意識していなくて、たまたま今回できたことであれば、できているよと言ってあげないと、次回、同じ状況でできるかどうかの保証はありません。
そして、もちろん、できていないことも伝えます。このとき、ただ、怒鳴ったり、叱責したりすることが、何がいけないんでしょうか。ハラスメントになるからでしょうか。
ただ、叱るだけという行為が問題なのは、具体的でないことです。さらに、感情的になっている指導薬剤師に対して、怒らせてしまったという気持ちしかおこらず、自分がした行為を振り返ることができないことも問題です。
具体的に、できたことと、できていなかったことを学生へ伝えること、簡単なように見えて、反射的にしていくことは、結構、難しいです。なので、直接的なフィードバックに加えて、ポートフォリオがあることで、さらに学生が成長できるフィードバックをしていけるのかなと思います。
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