2011/08/24

【模擬患者】シナリオへのこだわり(4)患者の感情

新緑 指先 水晶玉 自然 - 写真素材

シナリオを書く上で、一番こだわっているのが、患者の感情は、できるだけ入れないということです。ありがちな”蛇足”をシナリオに入れてみました。

28歳 女性 ◯◯ ◯◯ 性格:勝気な性格、よくしゃべる

<今までの経過>
1週間前から、残業続きで帰宅が遅く、睡眠不足が続いていた。2日前の朝には、喉の調子が悪かった。その日に、帰宅してから、寒気がしてどうも体がだるいので早く寝ることにした。夜中に目が覚めて熱を測ってみたら、38度台だった。とりあえず、朝まで寝ようと思って、朝になってもよくならない。咳や鼻水はでないが、とにかく喉が痛くて声も嗄れている。来週の出張でのプレゼンもできなくなってしまうと思い、仕事を休んで近くの病院を受診することにした。

<患者背景>

急な仕事で短期間で仕上げる必要があったため、ここのところ夜遅くまで仕事(広告代理店勤務)をしていたのだが、1人暮らしなので食事もいい加減になっていた。普段、風邪なんかひくこともなく大きな病気もしたことはないが、今回ばかりは、身体がついていかず、睡眠不足も加わって高熱が続いている。始めて本格的に任せられた大きな仕事で、はりきっていたのだが、このままのかすれ声では、人前でしゃべることも出来ない。仕事を休んで高熱が続き仕事が進まなくてイライラしている。なんとか、今週末で風邪を治して来週の出張に備えたい。 

下線部分が、私はできるだけ省いている部分です。

1.患者の性格に関する記述

他の方が書いたシナリオをときどき拝見することがあります。シナリオによっては、性格は内気で口数が少ないとか、明るい性格とか書いてあることがあります。

2.患者が症状の経過の中で感じていること

今回のシナリオでは、少しわかりにくいのですが、とても不安に感じている。とか、心配になって受診した。というような表現を用いている場合があります。

これら2つを患者の感情とまとめていうと少し意味合いが違ってくるかもしれませんが、私ができるだけ省いている部分です。どうして省く必要があるかというと、下線部分は、シナリオに描かれている患者を演じるSPさん自身が想像してほしいことだからです。

シナリオの下線部分は、あくまでも私がイメージした患者の姿であって、SP前田純子だったら、黙々と仕事を続ける真面目な人で、せいいっぱい頑張ったけど、やっぱり私は無理と気弱になっている状況をイメージするかもしれません。

患者をイメージしながらシナリオを書くのですが、できるだけ事実を淡々と並べていくという作業になります。

このシナリオへのこだわりは、どこかで勉強したことではなく、岡山SP研究会の関係でいろいろなシナリオを書いている中で、身につけたものです。これが、正しいか正しくないかはわかりませんが、岡山SP研究会のSPさんたちからは、良い評価をもらっています。

私のシナリオは、一見イメージしずらいそうです(それは、SPさんに委ねている部分が多いからだと思います)。でも、自分でイメージを膨らませて、ロールプレイが始まると、シナリオの患者が、自分のものになる感覚があるようです。

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