2012/02/01

【模擬患者】模擬患者のこころえ10か条(後編その1)

打ち合わせコーナー - イラスト素材
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中四国模擬患者フォーラムに参加して考えてみた模擬患者のこころえ10か条の続きです。

5. 相手の話をよく聴く

模擬患者になりたいという方には、まずは自分がどうやってコミュニケーションを取っているかを客観的に知る必要があります。その第1歩として、相手の話をよく聴くという練習があります。

いい大人なんだから、人の話はちゃんと聞いているよ〜と言われるかもしれませんが、耳と目と心で聴くことがいつもできているでしょうか?人の話を聴くというのは、なかなか難しいことです。

コミュニケーションは、1人では成り立ちません。相手とのやり取りがあってこそコミュニケーションなのです。当然ですが・・・

 

さて模擬患者のこころえ10か条(前編)もあわせて、ここまでは、模擬患者になるためのこころえというよりも、人生を豊かにする方法のような気がします。

4の自身の医療体験を客観的に振り返る、というのは、日常ではあまりないことかもしれませんが、医療体験を辛かった体験に置き換えることもできると思います。

つまり、模擬患者をするということは、嫌でも自分自身を突きつけられる、そんな体験なのだと思います。自分と向きあえば、自分の嫌な部分とも向きうことになります。そして、自分のこころの動き、感情について深く考えるようになります。

岡山SP研究会で模擬患者という活動に出会って実践しようという方は、SP養成講座ではいったい何を言っているのかチンプンカンプンのようです。

それは当然のことで、大人になっていく中で、自分の感情は律することを求められ、自然に身についていくものなのではないかと思います。別にそういった事実が悪いことではなく、人間が社会の中で生きて行くために習得した知恵なのではないかと想像します。

通常であれば、自分がどんなコミュニケーションをとっているのかを意識しなくても、特に問題なく済んでしまうことだと思います。ところが、模擬患者が関係する医療コミュニケーションの場ではどうでしょうか。病気になるということは、生きること、死ぬことが直結します。

多くの患者さんが医療者とコミュニケーションをとる中で、感情を揺さぶられ普段は律しているはずの感情が表出する場です。そんなとき、圧倒的な情報量に差がある専門家である医療者との間にコミュニケーションの溝が生まれるのだと思います。

医療者が良い支援者であるためには、結局、医療の場でコミュニケーションがうまくいく必要があります。なので、医療コミュニケーション学習の中で模擬患者の存在は、欠かせないものになっていると思います。

とりとめのない話になってきました。結局、1〜5については、日常生活の中で実践する部分だと思います。そして6〜10が、模擬患者として訓練が必要になる部分です。

 

長くなりそうなので、6〜10については、項目だけ紹介します。詳しい内容は、また明日。

6. こころの動きを捉える

7. 感情と事実を分ける

8. 相手の個性を受け入れる

9. フィードバックは、気づきを促すだけであることが分かる

10. 模擬患者にしかできないフィードバックをする

 

後編では、なかなか表現するのが難しいことばかりでしたので、詳しくは、"よりよき医療コミュニケーションを求めて --模擬患者を通して見えてきたもの--" (前田純子)をご参照ください。


"よりよき医療コミュニケーションを求めて --模擬患者を通して見えてきたもの--" (前田純子)

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