2012/01/31

【模擬患者】模擬患者のこころえ10か条(前編)

協力 手を合わせる人々 - 写真素材
(c) ONOE写真素材 PIXTA

中四国SPフォーラムを終えて、いろいろと考えることがありました。なんだか、モヤッとする出来事もあり、模擬患者について改めて伝えることの難しさを感じました。よくも悪くも刺激を受けたので、模擬患者のこころえとして勝手に10か条を考えてみました。

1. 心身ともに健康である

病気を持っているから過去に大きな病気があるから、模擬患者として活動ができないというわけではありません。ただ、健康な方よりも努力が必要です。

模擬患者は、シナリオに描かれている患者になりきってロールプレイに臨みます。そのときに、自らの医療体験があると混同してしまいがちです。

少し違うかもしれませんが、医療職もまた模擬患者をしようとすると、自らの医療者としての立場からの視点がはいってしまうことが多いです。なので、医療に関係の無い方よりも努力が必要になります。

2. 自分と向き合い、振り返る

コミュニケーション学習をお手伝いする立場上、自らがどんなコミュニケーションをとっているのかを考える必要があります。

そのために、客観的に自らと向き合い振り返るという自らの内面に向くベクトルが必要です。多くの模擬患者さんが、活動を続けていく中で、勉強しているのは学生ではなく、自分自身だと気づく事が多いです。

3. 自分を認める

自分のコミュニケーションがどうなのか、自分と向き合い振り返るという行為を繰り返していると、だんだんと嫌な自分が見えてきます。ああ、こういう自分は嫌だけど、自分なんだと認めること。

すごく恥ずかしかったり、逃げ出したかったり、いろいろな気持ちが渦巻く過程だと思います。この体験が、学生が自らのフィードバックを受け止めるということがどういうことなのかを理解する上でとても大切だと思っています。

自分の嫌なところを受け入れるのは難しいと思うのですが、自らの良いところを受け入れることも、また同じくらい難しいと思います。

自分はこんな良いところがあると思って自信をもっていえる方がどのくらいいるでしょうか。客観的にみて自分にはこんな個性があると感じることもまた自分を認めることだと思います。

4. 自身の医療体験を客観的に振り返る

特に医療の中で辛い体験をしたことがある場合には、必須のことだと思います。今の医療にもの申すという思いがある場合、とても危険な模擬患者に成り得ます。

ロールプレイをしてフィードバックをする目の前の医療者は、自分を傷つけたそのときの医療者ではない。ここを混同しないようにしないと、ただただ、トラウマ体験を植えつけてしまい医療コミュニケーションを良くするという目的を達成することは難しくなってしまいます。

つづく…

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