(c) kurara|ストックフォト PIXTA
今、もっともホットな話題は、調剤過誤による死亡例があり、薬剤師2名が書類送検されたというニュースでしょう。下剤を調剤するところを排尿障害に用いるコリンエステラーゼ阻害薬を調剤して、さらに、調剤過誤に気づいたにも関わらず、そのままにして、女性を死亡させたとのことです。
そもそも、一包化の機械への充填間違いを放置して、多くの患者さんへ間違った薬剤の投薬を続けたこと、毒薬を同じ棚に保管するなんて、毒薬なのに、数量を確認してないのかなど、多くの批判的な意見が見受けられます。
さらに、薬局の経営者が、とある県の薬剤師会の元会長だったことで、さらなる物議を醸し出しているようです。
様々な状況から考えて、そんなの考えられない!と、周りの薬剤師は口をそろえていいます。
私が今回の事件で、最初に感じたことは、「叱責されるのが、いやで放置した。」ということが一番問題だと思いました。それは、インシデント(やアクシデント)を起こしたときに、報告できる雰囲気ではなかったということです。
インシデントはどんなことでも報告、報告した人を責めないというリスクマネジメントの基本的な考え方ができていなかったという状況だったと想像します。
調剤過誤に気づきながら、それを放置したという点から考えると薬剤師の倫理観という部分に関わってくると思いますが、私は、むしろ、その薬局では、普段から何も意見できない状況だったことを問題だと思いました。
これ以上は、勝手なことは言えませんが、リスクマネジメントだけではなくて、患者の安全が最優先という考え方はできる状態ではなかったのではないかと考えました。
そんな事件のこともあり、学生のディスカッションテーマの中に、薬剤師のリスクマネジメントに対する姿勢というようなことを盛り込めないか考えています。
今までも、リスクマネジメントに関するディスカッションを実習期間中しているのですが、タイトルが同じだからなのか、学部の中でのリスクマネジメントに関するディスカッションを似たようなことになりがちです。
私自身が、就職する前後で大きく違うと感じたリスクに対する考え方を是非とも学生へは伝えておきたいと思います。実習として調剤をすることと、仕事として調剤をすること、ここには、大きな差がありました。
このことについて、伝えたいのですが、なかなか、SGDのテーマや進め方を考えるのは、大変です。また、実習ワーキングの会議でアイディアを出し合ってみることになると思います。
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