2012年4月1日から稼働するJPALSについて調べてみています。いろいろな意見が飛び交っているようですが、うまく活用すれば、薬剤師としてのスキルアップを目指して生涯学習へのモチベーション維持に役立つシステムだと思います。
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日本薬剤師会のJPALSについて調べてみた。JPALSのシステムを上手に使うためには、いくつか発想を変える必要があると感じました。いくつか書き留めておきたいと思います。本格稼働したら、考えも変わるかもしれません。
研修会参加の姿勢を変える |
シールがもらえるから、職場で出席するように言われたからという外的な要素も時には必要だと思いますが、薬剤師(学生も含めて)はみんな大人です。生涯学習には、自分自身の内的なモチベーションが必要です。最近では、毎週末にこれでもかと研修会が開かれています。その中で自分自身の興味、関心にしたがって、自然に行きたい研修会、どうでもいい研修会に分かれているはずです。
研修会に参加する前に、どうして自分はこの研修を受けたいのか、何を目標に参加するのかを意識する必要があります。この目標設定は、人によっては、はっきりしているかもしれませんが、初学者や目標を持つことに不慣れな場合、そもそもどこから勉強していいのか、何を目標にするのかわからない場合があると思います。
そういう意味で、JPALSでは、プロフェッショナルスタンダートを設定されていて、それらを自己チェックする仕組みがあります。自分自身で目標を設定する必要がなく、とりあえず、そこを押さえておけば、少しずつでも前に進んでいるわけで、至れり尽くせりだと思います。
逆に言うと自分の目標も持って実践することで、自分自身が知ることができる、自己実現をかなえるというポートフォリオの作用が失われてしまうので、プロフェッショナルスタンダードだけではなく、自分はこうなりたいという目標設定をすることで、よりJPALSが活用できると思います。
研修や経験から得た知識を実践する |
学生を実習でみていて思うのですが、大学で優秀だと言われている学生ほど、知識を得たことで満足するように思います。大学では試験に合格することが目的で、それはそれで、大切なことですが、臨床現場に出るとそうはいきません。
やはり、目の前の患者に役立てる知識にならないと、本当の意味で知識を習得したとは言えないでしょう。そこで、得た知識をどう生かしますかというJPALSの実践記録中の項目が生きてくるわけです。誰のための研修なのか、何のための学習なのかをもう一度、考え直すよい機会になるのではないでしょうか。
今までの評価の考え方を変える |
JPALSの解説にもありましたが、”評価は他人にされるもの”という考え方を捨てる必要があります。JPALSには、クリニカルラダーが設定されており、基本的に自己評価で進んでいくようです。自己評価は主観的なものなので、あまり意味がないと思われるかもしれませんが、自分自身を客観的に評価するという能力は自己主導型の学習を行っていく上で重要なスキルです。
自己評価するときに、重要なのは、自分はレベル1かどうかではなくて、自分ができること、できないことをしっかり見定めることができるということです。自己評価は、次のステップへ進むための大切なプロセスです。何ができて、何ができないのかを客観的に評価することで、次の学習の計画を立てることができるのです。
いわゆるできる人というのは、自分自身の目標を持っていて、実践能力が高く、自己評価が的確に行えている人だと感じます。つまり、ポートフォリオをうまく使えば、知識を身につけて終わりの薬剤師ではなく、できる薬剤師として多くの場で活躍できるようになると思います。
JPALSが立ち上がった経緯やプロセスを知っているわけではないので、憶測の部分もありますが、私自身、ポートフォリオを学生に実践させてみて、その効果を実感しています。JPALSが、良いシステムとなることを願っています。
まだまだ、言葉足らずの部分がありますので、追記していきたいと思います。