2012/03/25

日本薬剤師会のJPALSについて調べてみた。

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2012年4月1日から、日本薬剤師会でJPALSという生涯学習支援システムが、稼働します。JPALSというのは、Japan Pharmaceutical Association life long Learning support Systemの略のようです。

JPALSは、Webシステムであり、ポートフォリオシステム、eラーニングシステムの2つのシステムから成り立っているようです。eラーニングとWebポートフォリオの相性はとてもよく、eラーニングシステム利用履歴=学習記録(ポートフォリオ)になるので、eラーニングだけを走らせるよりも効果が期待できます。

JPALSを知るためには、まず、CPDを理解する必要があるようです。CPDとは、継続的な専門能力の開発(Continuing Professional Development)のことで、FIP(国際薬剤師・薬学連合会)で提唱されています。

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日々の薬剤師の業務や役割の中で,個々の薬剤師が取得すべき知識・スキルが何かを「振 り返って自己査定(reflection)」し,それに対して「学習計画を立て(planning)」,「実践し(action)」,それを「評価する(evaluation)」という4つのステップを繰り返す学習方法です。

4つのステップを記録するために、ポートフォリオが活用されます。ポートフォリオは、学習記録を一元化するものです。学習の場面でのポートフォリオは、reflective portfolioと呼ばれており、JPALSのポートフォリオは、reflectionの要素が入っており、reflective portfolioという発想に合致しています。

JPALSのポートフォリオの実践記録の項目を抜き出してみました。

1)計画

2)研修形式

3)研修会コード

4)研修会名

5)学習時間

6)受講年月日

7)場所

8)研修会主催者

9)研修内容(演題、演者など)

10)この研修で学んだこと、経験したこと、感じたこと

11)学習内容を実践でき活用できる例/学習によって実践での効果があった例

12)まだ学習すべき項目/学習目標をすべて達成できなかった理由

これらのうち、2)〜9)は、今までの薬剤師研修手帳へ記入していたことと同じであり、事務的な意味もあるかと思います。1)の計画もCPDの中の要素の1つですが、大切なのは、10)〜12)です。この3つの項目により、単なるシール集めにならない、意味のある学習活動を見いだせると思います。

10)この研修で学んだこと、経験したこと、感じたことに加えて、そこで得た知識を現実にどう生かすかという11)学習内容を実践でき活用できる例を考える。できれば、実践した例を挙げてみる、そして、12)学習すべき内容(自分に不足している知識や技能)をしっかり書くことで、実践、自己評価、振り返り、次の学習計画といった流れができあがります。

実際、ほとんどの薬剤師はこのサイクルを実践していると思います。ただ、あえて、その過程を意識してみることは少ないと思いますが。

まだ、よく見えてこない部分があるのですが、気になることが1つあります。関連文書をみる限り、認定のために、実践記録が年間6本必要というような記載がありました。ポートフォリオ6本という表現で記載されていますが、ポートフォリオは、学習を一元化するものなので、正しくは、学習の記録(実践の記録)を年間6本ということだと思います。

何をどう呼ぶかなど小さなことであり、それよりも、振り返りながら学習する手法が、薬剤師の生涯学習へ取り入れられることは画期的であり、喜ばしいことだと思います。

実務実習モデル・コアカリキュラムが広まってきた頃もそうでしたが、教育用語であるクリニカルラダー、ポートフォリオ、CPDなど、聞き慣れない言葉になんとなくそうかと思ってしまうのではなく、JPALSを活用するために、提唱されていることの本質を理解したいところです。

(つづく・・・)

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