この穴なんだと思いますか?数時間の間、私を悩ませた直径2cmくらいの穴です。
10月21日、OPPG(岡山緩和ケア薬剤師グループ)の勉強会を開催しました。会場準備は、すべて私の責任で行っていたわけですが・・・前日に、大きな問題に気づきました。
借りていたカンファレンスルームは、普段は区切られていて、必要に応じてつなげて使います。2つの部屋をつなげるためには、可動式のパーテーションを動かす必要があります。パーテーションを動かすには、ハンドルのような器具が必要でした。
実は、そのハンドルは、部屋に備え付けられているわけではなく、管理している事務に平日のうちに取りにいっていないといけなかったのです。前日に、ふとそのことに、気づいてから、さあ、そこから、あせりました。鍵は借りているものの、パーテーションを動かせないとなると、予定していた部屋の半分の大きさしか使用できないことになります。
いろいろな人に電話をかけたり、予定していたヨガをキャンセルして、どうにかしようと会場へ。で、いくつかの対策を考えました。そのうちの1つが、とにかく、これをねじって、動かせばいいのだから、なんとか、工具を使って動かせないかというものでした。
こういう類いのことは、父親が得意なので、電話しました。しかし、電話をしても最初はつながらず・・・(母の予想通り、休日出勤の仕事帰りにパチンコしていたようです。)
もうどうなることかと本当に胃が痛くなりました。21時ごろに、やっと電話がつながって、相談したところ、工具を一式もってきて、来てくれることになりました。そして、一路、会場へ。
エレベーターに乗ったときのこと、壁に各階の案内があるわけですが、カンファレンルームと書いてありました。
父「カンフェレンスルームってなんなんだ?」
私「会議室のこと。」
父「じゃあ、会議室ってかけばええが。」
私「カンファレンスすることが多いからカンファレンスルームなんだって。」
父「なんなーカンフェレンスって・・・」
カンフェレンスだろうが、会議室だろうが、父にとっては関係なくて、とにかく、パーテーションを動かすための知恵を出してくれました。父親は、高卒です。働きながら、測量の勉強をして、さらに二級建築士をとっています。机に座っての勉強が好きだったとは思えない人です。定年してからも役職つけてもらって、給料は安いらしいですが今でも働いています。
2つの工具を組み合わせて、なんとか、パーテーションを動かすことができました。なんだが、研究会は終わってないのに、もうやり遂げた満足感が・・・
そして、翌日、スクリーンを3枚使っての進行。盛り上がっている様子をみて、ほっとしました。半分の広さしか使えなかったら、えらいことになっていただろうに・・・もとはといえば、自分がしでかしたこととはいえ、本当に大変なことでした。
研修会をサポートしながら思ったこと、昨日の事件を振り返って、生きていくためにはやっぱり知恵って必要だなと。そして、医療者にとって、知識も知恵も必要なんだということでした。知識だけでは実用性がなくて役に立たず、知恵ばかりだと、根拠がないことばかりする単なる怪しい人・・・。
知識は、教科書とかもしくはWebで簡単に手に入るわけですが、本当に役に立つ、自分が知りたい知恵は、参加型の研修会で、グループの人たちと話をしてみることで得られることが多いのではないかと思いました。
結果的に、まれに見る、大失態だったのですが、いろいろ思うこともあり得ることもありました。そして、気持ちよく研修会を終わることができました。